公開: 2019年8月2日
更新: 2019年8月xx日
第2次世界大戦が始まる以前、第1次世界大戦の教訓に学び、戦争に関する国際的な約束事(国際法)が議論されました。その結果、武装した軍隊による、相手国の市民を対象とした組織的な攻撃は、国際法に違反するとする理解が成立しました。しかし、第2次世界大戦では、ドイツ軍がイギリスのロンドンに対して、連合軍がドレスデンなどのドイツの主要都市に対して、爆撃を加えるなどの対市民攻撃を実施しました。日本軍も、中国の南京市民に対して、爆弾攻撃を加えるなどの違法な行為を行いました。さらには、1944年から米国は、日本の主要都市にある工場などを攻撃対象とした戦略爆撃を始め、多くの市民が巻き込まれました。しかし、その戦略爆撃の効果が十分ではなかったため、1945年に入って、米国は、日本の主要都市の一般住民を対象とした攻撃に切り替えました。この市民を対象とした大規模な爆撃によって、多数の犠牲者が出ました。3月10日の東京大空襲では、10万人以上の死者を出したようですが、それでも降伏しなかった日本に対して、米国軍は、8月6日に広島へ、8月9日に長崎へ原爆を投下しました。この両市に落とされた原爆の直接の犠牲者だけでも、15万人を超えたとされています。最初は、小規模な攻撃だった戦略爆撃も、第2次世界大戦の4年間で、1回に10万人を超える死者を出す攻撃にまで拡大しました。人類は、目的のためには、しばしば約束を破るようです。